夜間ドローンを飛行させる場合は、、日中の飛行とは異なる特別なルールと許可が必要です。今回は、夜間飛行を安全に行うための手続きや注意点について解説します。

夜間飛行は航空法上「特定飛行」になるため、国土交通大臣の承認が必要です。

(飛行の方法)
第132条の86 省略
2 無人航空機を飛行させる者は、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合(立入管理措置を講ずることなく無人航空機を飛行させるときは、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合に限る。)を除き、次に掲げる方法により、これを飛行させなければならない。
一 日出から日没までの間において飛行させること。
二〜六 省略
3〜4 省略
5 前三項の規定は、次の各号のいずれかに該当する場合には、適用しない。
一 省略
二 前号に掲げるもののほか、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、第二項各号に掲げる方法のいずれかによらずに無人航空機を飛行させることが航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがないことについて国土交通大臣の承認を受けて、その承認を受けたところに従い、これを飛行させる場合

引用:gーGOV「航空法」

1. 夜間飛行の「夜間」は何時?

夜間飛行における「夜間」は、単に日が沈んだ後を意味するわけではありません。「日出から日没までの間」とは、国立天文台が発表する日の出の時刻から日の入りの時刻までの間を意味します。具体的な時刻は季節や地域によって毎日変わりますので、飛行前に確認するようにしましょう。スマートフォンのアプリで簡単に調べることができます。

夜間では、無人航空機の位置や姿勢だけでなく、周囲の障害物等の把握が困難になり、無人航空機の適切な制御ができず墜落等に至るおそれが高まることから、航空法第 132 条の 86 第2項第1号により、昼間(日中) 」のみ(日出から日没までの間)の飛行に限定することとしている。ここで、 「日出から日没までの間」とは、国立天文台が発表する日の出の時刻から日の入りの時刻までの間をいうものとする。したがって、 「日出」及び「日没」については、地域に応じて異なる時刻を表す。

引用:国交相ホームページ「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」

2. 夜間飛行に必要な事項

ドローンによる夜間飛行を行う場合に必要な事項は、審査要領5−3に記載があります。事前に飛行マニュアルに記載されている飛行訓練を実施し、技量を習得していることが前提になります。

(1)機体について、無人航空機の姿勢及び方向が正確に視認できるよう灯火を有していること。ただし、無人航空機の飛行範囲が照明等で十分照らされている場合は、この限りでない。

(2)無人航空機を飛行させる者について、次に掲げる基準に適合すること。
・夜間、意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。
なお、5-4(3)c)カ)に示す移動中の車両、列車又は船舶の上空を通過する飛行を行う場合には、飛行させる無人航空機に対応した現に有効な無人航空機操縦者技能証明(昼間飛行の限定解除を受けたもの)を保有していること。
・必要な能力を有していない場合には、無人航空機を飛行させる者又はその関係者の管理下にあって第三者が立ち入らないよう措置された場所において、夜間飛行の訓練を実施すること。

(3)安全を確保するために必要な体制について、第三者の上空で無人航空機を飛行させないよう、次に掲げる基準に適合すること。
・日中、飛行させようとする経路及びその周辺の障害物件等を事前に確認し、適切な飛行経路を特定すること。
・飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。なお、4-3-2(3)b)に示す立入管理区画を設定する場合又は5-4(1)d)ウ)(ⅲ)に規定する要件に適合する場合には、補助者の配置を省略することができる。
・離着陸を予定している場所が照明の設置等により明確になっていること。

引用:国交相ホームページ「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)」

3. 夜間飛行に必要な「承認」

夜間飛行は、航空法で定められた「特定飛行」に該当するため、原則として国土交通大臣の承認が必要です。これはDIPSで申請するのが一般的です。用途に応じて「包括申請」又は、「個別申請」をすることになります。飛行する場所によっては、航空法以外の法律により規制されている場合があるので専門の行政書士等に相談することをお勧めします。ルールを守って安全にドローンを楽しみましょう。