ドローンを使った空撮など、ドローンはイベントの迫力や雰囲気を伝えるの有効なツールです。しかし、お祭りやコンサートなどの「催し場所」の上空でドローンを飛ばすには、特別な注意が必要です。今回は、催し場所の上空を飛行させる際のルールと手続きについて解説します。
(飛行の方法)
第132条の86 省略
2 無人航空機を飛行させる者は、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合(立入管理措置を講ずることなく無人航空機を飛行させるときは、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合に限る。)を除き、次に掲げる方法により、これを飛行させなければならない。
一〜三
四 祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること。
以下省略
引用:gーGOV「航空法」
「催し場所」とは?
お祭りや展示会、スポーツイベントなど、不特定多数の人が集まるイベント会場、これがいわゆる「催し場所」です。該当する例が「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」において示されています。
○該当する例:
航空法第132条の86第2項第4号に明示されている祭礼、縁日、展示会のほか、プロスポーツの試合、スポーツ大会、運動会、屋外で開催されるコンサート等のイベント、ドローンショー(自社敷地内、無人の競技場内等、第三者の立入管理措置が行われていることが明白である場所での事前練習や企業向けの配信用撮影等を除く) 、 花火大会、 盆踊り大会、 マラソン、街頭パレード、選挙等における屋外演説会、デモ(示威行為) 等
引用:国交相ホームページ「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」
催し場所の上空は「許可・承認が必要な空域」
航空法では、ドローンの飛行が原則として禁止されている場所や、特別な許可・承認が必要な空域を定めています。その中に、「人又は家屋の密集している地域の上空(DID)」とありますが、「催し場所の上空」はこれらとは別に、国土交通大臣の承認が必要となります。「人又は家屋の密集している地域の上空(DID)」以外の野外イベント会場であっても承認が必要です。
重要な安全対策
国土交通大臣承認を得るためには、安全対策が重要です。原則、無人航空機の落下による第三者に対する危害を防止するため、催し場所上空で飛行はできませんが、一定の要件を満たせば飛行可能です。
5-6 多数の者の集合する催し場所の上空における飛行を行う場合は、次に掲げる基準に適合すること。ただし、無人航空機の機能及び性能、無人航空機を飛行させる者の飛行経歴等、安全を確保するために必要な体制等とあわせて総合的に判断し、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認められる場合は、この限りでない。 (法第 132条の86第2項第4号関係)
(1)無人航空機の落下による第三者に対する危害を防止するため、催し場所上空であっても、第三者の上空で無人航空機を飛行させないことを要件とし、この場合において、次に掲げる基準に適合すること。ただし、a)並びに c)エ)、オ)及びカ)の基準については、機体に飛行範囲を制限するための係留装置を装着している場合、第三者に対する危害を防止するためのネットを設置している場合又は製造者等が落下距離(飛行の高度及び使用する機体に基づき、当該使用する機体が飛行する地点から当該機体が落下する地点までの距離として算定されるものをいう。5-6(エ)の表において同じ。)を保証し、飛行範囲の外周から当該落下距離以内の範囲を立入禁止区画(第三者の立入を禁止する区画をいう。5-6(エ)の表において同じ。)として設定している場合等は、この限りでない。
a)機体について、次に掲げる基準に適合すること。
ア)第三者及び物件に接触した際の危害を軽減する機能を有すること。
当該機能の例は、以下のとおり。
・プロペラガード
・衝突した際の衝撃を緩和する素材の使用又はカバーの装着
・衝突防止センサー(正常に機能していること及び当該センサーの有効範囲や性能上の限界等の範囲内である場合に限る) 等
イ)想定される運用により、10回以上の離陸及び着陸を含む3時間以上の飛行実績を有すること。
以下省略
引用:国交相ホームページ「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)」
催し場所上空における飛行承認
催し場所上空における飛行は、航空法で定められた「特定飛行」に該当するため、原則として国土交通大臣の承認が必要です。一般的にはDIPSにより申請することができます。細部は、飛行マニュアル、「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」に記載がありますが不安があれば、専門の行政書士等に相談することをお勧めします。ルールを守って安全にドローンを楽しみましょう。