ドローンを飛行させる上で避けて通れないのが、「航空法」の存在です。この法律には、ドローンを安全に運用するための様々なルールが定められており、その中でも特に重要なのが「特定飛行」という概念です。

「特定飛行って何?」「特別な許可が必要なの?」

そう思われた方もいるかもしれません。今回は、ドローンの特定飛行について、その種類から許可の必要性、そして申請方法まで解説します。

特定飛行とは何か?

特定飛行とは、通常のドローン飛行よりも、さらに高い安全性が求められる飛行方法や場所のことです。航空法では、ドローンを飛行させる際の基本的なルールを定めていますが、特定飛行にあたる場合は、原則として国土交通大臣の許可・承認が必要になります。

この許可・承認を得ずに特定飛行を行った場合、航空法違反となり、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

以下特定飛行に関する条文

(第三者が立ち入つた場合の措置)

第132条の87 無人航空機を飛行させる者は、第百132条の85第1項各号に掲げる空域における飛行①又は前条第二項各号②に掲げる方法のいずれかによらない飛行(以下「特定飛行」という。)を行う場合(立入管理措置を講ずることなく飛行を行う場合を除く。)において、当該特定飛行中の無人航空機の下に人の立入り又はそのおそれのあることを確認したときは、直ちに当該無人航空機の飛行を停止し、飛行経路の変更、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがない場所への着陸その他の必要な措置を講じなければならない。

(飛行の禁止空域)

①第132条の85 何人も、次に掲げる空域においては、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合(立入管理措置(無人航空機の飛行経路下において無人航空機を飛行させる者及びこれを補助する者以外の者の立入りを管理する措置であつて国土交通省令で定めるものをいう。以下同じ。)を講ずることなく無人航空機を飛行させるときは、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合に限る。)でなければ、無人航空機を飛行させてはならない。

一 無人航空機の飛行により航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあるものとして国土交通省令で定める空域

二 前号に掲げる空域以外の空域であつて、国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空

(飛行の方法)

第132条の86 省略

②2 無人航空機を飛行させる者は、技能証明を受けた者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合(立入管理措置を講ずることなく無人航空機を飛行させるときは、一等無人航空機操縦士の技能証明を受けた者が第一種機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合に限る。)を除き、次に掲げる方法により、これを飛行させなければならない。

一 日出から日没までの間において飛行させること。

二 当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させること。

三 当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に国土交通省令で定める距離を保つて飛行させること。

四 祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること。

五 当該無人航空機により爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれがある物件で国土交通省令で定めるものを輸送しないこと。

六 地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定める場合を除き、当該無人航空機から物件を投下しないこと。

つまりは、

になります。

許可・承認申請はどこで行うの?

特定飛行の許可・承認申請は、国土交通省の「ドローン情報基盤システム(DIPS)」からオンラインで行うのが一般的です。申請内容が複雑になるほど、提出書類も増え、審査にも時間がかかります。飛行予定日の10開庁日前までには申請を完了させるように、余裕を持って準備しましょう。

まとめ

ドローンの特定飛行は、安全確保のために設けられた重要なルールです。 「夜だから大丈夫だろう」「人がいないからいいだろう」と安易な判断で特定飛行を行うと、意図せず法律違反となってしまう可能性があります。

ご自身のドローン飛行が特定飛行に該当しないか、常に確認し、必要であればしっかりと許可・承認申請を行いましょう。