ドローンを手に、いざ空へ!そんなワクワクする気持ち、よくわかります。しかし、皆さんのすぐ近くに「空港」がある場合、必ず「空のルール」を確認してください。
空港周辺でのドローン飛行は、航空法によって厳しく制限されており、「知らなかった」では済まされない事態になりかねません。一体、どんなルールがあるのでしょうか?
空港周辺はなぜ「飛行禁止区域」なの?
空港は、飛行機が離着陸を繰り返す、まさに「空の玄関口」です。そこでは、何百人もの命を乗せた航空機が、秒単位の精密さで運航されています。もし、ドローンがこの空間に侵入してしまったらどうなるでしょうか?
- 航空機との衝突: 最悪の場合、エンジンの吸い込みや機体への衝突など、航空機を墜落させる原因になりかねません。
- 運航妨害: ドローンの存在が確認されるだけで、航空機の離着陸が中断される可能性があります。
- テロ対策: 悪意を持った利用を防ぐためにも、厳重な警備が必要とされています。
このようなリスクから、航空機の安全な運航を守るために、空港周辺はドローンの「飛行禁止区域」に指定されているのです。
具体的にどこまでが「飛行禁止区域」になるの?
航空法では、空港等の周辺に以下の空域が設定されており、原則としてドローン(100g以上)の飛行が禁止されています。
- 空港等の敷地の上空: 文字通り、空港の敷地の真上が飛行禁止です。
- 進入表面、転移表面、水平表面の上空: これらは、航空機が安全に離着陸するために設定された、空港を取り囲む目に見えない「空の壁」や「空の天井」のようなものです。
- 進入表面: 滑走路の両端から扇状に広がる、航空機が最終的に着陸態勢に入るためのエリア。
- 転移表面: 滑走路の側面から広がるエリア。
- 水平表面: 空港の中心から一定の範囲(空港によりますが、例えば半径4kmなど)の水平なエリアで、その上の空域。 これらの表面の上空は、航空機の安全確保上、非常に重要な空間です。
- 地表または水面から150m以上の高さの空域: これは空港周辺に限らず、基本的にどこでも許可が必要な「特定飛行」の一つですが、空港周辺では特に注意が必要です。これらの空域は、地図上で見ると想像以上に広範囲にわたる場合があります。特に、中心部から離れていても、表面が低空まで伸びているため、知らずに規制空域に入ってしまうこともあります。
- 小型無人機等飛行禁止法に注意:新千歳空港、成田国際空港、東京国際空港、中部国際空港、大阪国際空港、関西国際空港、福岡空港、那覇空港の8空港は小型無人機等飛行禁止法が適用されるため、100g以下のドローンも飛行制限に該当します。
許可なく飛ばした場合の罰則は?
空港周辺の規制空域で許可なくドローンを飛行させた場合、航空法違反となり、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。 さらに、空港機能を麻痺させるような行為は、航空機の運航を妨害したとして、より重い罰則が適用される可能性もあります。
どうすれば安全な空域か確認できる?
ドローンを飛ばす前には、必ず以下の方法で飛行場所が空港周辺の規制空域に該当しないかを確認してください。
- 国土交通省のウェブサイト: DIPS2.0からレイヤーを選択すると小型無人機等飛行禁止法のゾーンと合わせて確認できます。
まとめ「安全は確認から!」
空港周辺でのドローン飛行は、ドローン操縦者が絶対に守らなければならないルールの一つです。その規制の背景には、航空機の安全と、何百人もの命を守るという重大な責任があります。
「もしかして空港に近いかも?」そう思ったら、まずは確認!そして、少しでも規制空域に触れる可能性がある場合は、絶対に飛行を行わないでください。
ルールを正しく理解し、常に最新の情報を確認しながら、責任ある安全なドローンライフを送りましょう!