ドローンを安全に、そして自由に飛ばすために知っておきたい「機体認証」と「型式認証」について、分かりやすく解説していきます。機体認証は、すべてのドローンの飛行において義務付けられているわけではなく、特定の飛行を行う場合に限り必要となり、どちらも機体の安全性を証明するための制度ですが、その対象と役割が異なります。
機体認証
機体認証は、ドローンの所有者が、自身が所有する1機ごとに受ける認証です。車の車検に例えられます。この認証では、機体の強度や構造、性能が国が定めた安全基準に適合しているかを検査します。
- 対象: ドローンの使用者(所有者)
- 目的: 1機ごとの安全性の確認
- 申請者: ドローンの使用者
- メリット: 無人地帯での目視外飛行(レベル3.5飛行)など、特定の飛行において飛行許可申請が不要になる場合があります。
型式認証
型式認証は、ドローンのメーカーが、機種ごとに受ける認証です。車の型式指定に例えられます。この認証では、量産機が設計や製造過程において安全基準と均一性基準に適合しているかを検査します。
- 対象: ドローンのメーカーや設計者
- 目的: 量産される機種の安全性と均一性の確保
- 申請者: ドローンのメーカー
- メリット: 型式認証を受けた機種は、個別に機体認証を受ける際に、検査項目が大幅に省略されます。これにより、購入者が機体認証をスムーズに取得できるようになります。
どちらが必要?
どちらの認証も、カテゴリーⅡB、Ⅲの飛行を行う場合に必要となります。
個人がドローンを所有する場合、型式認証を受けた機種を購入し、その後、機体認証を受けるのが一般的です。型式認証を受けていない機体(自作機など)を機体認証に出すことは可能ですが、検査項目が多くなり、費用も高額になります。