ドローンの「150m以上」飛行とは？
「ドローンを150m以上の高さで飛ばしたいんだけど、申請がめちゃくちゃ難しいって聞いた…本当のところはどうなの？」そうのように思っている方も結構いるのではないでしょうか？
ドローンを扱う皆さんの多くが、この「地表または水面から150m以上の上空での飛行」の許可申請に対して、他の申請にはない特別なハードルを感じているかと思います。
結論から申し上げますと、確かに一般的な申請と比べると、「150m以上飛行」の許可申請は要求される準備と内容のレベルが上がります。しかし、それは決して「許可が取れない」ということではありません。
では、なぜ150m以上飛行の申請が「難しい」と言われるのかを明確にし、適切な手順と準備さえ踏めば、許可取得は十分可能であることを具体的に解説していきます。不安を解消し、高高度飛行の実現に向けて一歩踏み出すための知識を身につけましょう！
なぜ150m以上が規制対象なのか
航空法では、ドローンを含む無人航空機は、飛行エリアの地表または水面から150m以上の高さの空域を飛行する場合、国土交通大臣の許可が必要と定められています。
これは、航空法上の「最低安全高度」の考え方が関係しています。有人航空機（ヘリコプターや飛行機など）は、人口密集地など特定のエリアを除き、原則として地表または水面から150m以上の高さを飛行することが多いため、ドローンと有人航空機との衝突を避けることが、この規制の最も重要な目的です。
150m以上の高高度飛行は「特定飛行」に該当
150m以上の高高度飛行は、航空法で定める「特定飛行」（許可・承認が必要な飛行方法）の一つです。
特定飛行を行う際は、飛行させる場所を管轄する地方航空局長または空港事務所長（オンライン申請では国土交通大臣）に申請を行い、飛行目的や安全対策が国の定める基準を満たしているか審査を受ける必要があります。
「150m以上」の申請が「難しい」と言われる理由
150m以上飛行の申請が特に「難しい」と言われる理由は、この飛行が特定飛行の中でも「困難な飛行」の一つとして扱われ、「個別審査」が求められるからです。
「困難な飛行」と「個別審査」
一般的な特定飛行の申請（DID地区など）:
- 多くの場合、一定期間・場所を限定せずに行える「包括申請」が可能です。
- 国が定める標準マニュアルを遵守することで、比較的迅速に審査が進みます。
150m以上飛行（困難な飛行）:
- 包括申請が認められず、飛行日時、場所、経路を特定した「個別申請」となります。
- 飛行周辺の航空関係機関とのドローンの飛行に係る調整が必要となります。（例えば、その場所は飛行機の経路が近いため、場所を変更してほしい。その時間帯は飛行機が混みあうので、時間を変更して欲しい等）
飛行場所の環境調査と【最重要】航空関係機関との調整
通常の飛行エリア確認に加え、高高度飛行ならではの最重要課題として、飛行場所周辺の航空関係機関との事前の調整が求められます。
- 航空路、ヘリポートの確認: 飛行ルートの直近に航空路やヘリポート（場外離着陸場含む）がないか、地図や情報サイトで確認します。
- 調整が必要な機関:
- 空港等管理者: 飛行場所が空港周辺（進入表面など）にあたる場合。
- 場外離着陸場の管理者: 近くにヘリコプターなどの離着陸場がある場合。
- 自衛隊・米軍基地: 飛行エリア周辺に基地がある場合。
- 調整の具体的な内容: 飛行日時、経路、高度を事前に伝え、飛行の調整を行います。この調整は、口頭ではなく、文書（メールのやり取りや承諾書など）で記録を残し、申請書に添付すること申請が円滑にできます。
まとめ
高高度飛行を実現したいとお考えの方は、ぜひ本記事で解説したポイントを念頭に、準備を進めてください。
専門的な申請手続きや、個別審査を通過するための資料作成に不安がある場合は、行政書士などの専門家への相談も有効な手段です。適切な準備で、あなたのドローン飛行の可能性はさらに大きく広がります！
