近年、趣味からビジネスまで、様々な分野で活躍の場を広げているドローン。空撮や点検、測量など、その可能性は無限大です。しかし、「ドローンを自由に飛ばせる!」と思っている方もいるかもしれませんが、ちょっと待ってください。実は、ドローンを飛行させるためには、ほとんどの場合、国土交通大臣の「許可」と「申請」が必要となることをご存知でしょうか?

「え、そうなの?」と思った方もいるかもしれませんね。今回は、安全なドローン飛行のために不可欠な「許可」と「申請」について、その重要性をお伝えしたいと思います。

なぜ「許可」と「申請」が必要なのか?

ドローンは非常に便利なツールである一方で、その特性上、一歩間違えれば重大な事故やトラブルに繋がりかねません。例えば、

人や物件への衝突事故:落下すれば、人に怪我をさせたり、建物や車に損害を与えたりする可能性があります。

プライバシーの侵害:意図せず他人の敷地内やプライベートな空間を撮影してしまうことも。

重要施設への侵入:空港や原子力施設など、国の安全に関わる場所への侵入は非常に危険ですし、違法です。

このようなリスクを未然に防ぎ、安全かつ適正なドローンの利用を促進するために、航空法などの法律で飛行に関するルールが定められており、特定の条件下でドローンを飛行させる場合には、国土交通大臣の許可が義務付けられているのです。そして、その許可を得るための手続きが申請というわけです。

どんな時に「許可」や「申請」が必要になるのか?

具体的に、どのような場合に許可申請が必要になるのか、いくつか例を挙げましょう。

  • DID地区(人口集中地区)での飛行:市街地など、多くの人が住んでいる場所での飛行は原則として許可が必要です。
  • 人または物件から30m未満の距離での飛行:人や建物から近い場所での飛行は、落下時のリスクが高まります。
  • 夜間飛行:視界が悪くなる夜間の飛行は、特別な注意が必要です。
  • 目視外飛行:ドローンを目視できない範囲での飛行も許可が必要です。(技能証明により違いあり)
  • イベント上空での飛行:お祭りやイベントなど、多くの人が集まる場所の上空での飛行は特に危険です。

これらの他にも、飛行させる場所や方法によっては様々な法律による規制があります。

「申請」の手続きは面倒?

「許可申請って、手続きが複雑で面倒なんじゃないの?」と感じる方もいるかもしれません。確かに、必要な書類を揃えたり、飛行計画を作成したりと、手間がかかるのは事実です。しかし、これらの手続きは、あなたが安全にドローンを飛行させ、トラブルを未然に防ぐために非常に重要な事項です。申請はオンラインで行うことができますが、複雑な処理が必要な場合は専門の行政書士にお任せするほうが無難です。

まとめ:安全なドローンライフのために

ドローンは、私たちの生活を豊かにし、様々な可能性を広げてくれる素晴らしいツールです。しかし、その魅力を最大限に引き出すためには、ルールを守り、安全に飛行させることが何よりも重要です。

ドローンを飛ばす前には必ず、ご自身の飛行計画が「許可」を必要とするものかどうかを確認し、必要な場合は忘れずに「申請」を行いましょう。

※注意:ちょっと細かい話です。ここでは「許可」の表記としましたが、内容により「承認」の場合があります。