航空法が適用されるドローンを係留して飛行させる場合、一定の条件を満たすことで、通常必要とされる国土交通大臣の個別の許可・承認が不要となります。
係留飛行の条件
係留飛行が許可・承認が不要となる「条件を満たす飛行」として認められる要件は、以下のとおりです。
1 係留方法: 十分な強度を有する紐等で、地表または固定物に係留すること
2 長さの制限: 紐等の長さが30メートル以内であること
3 物理的な防止: 紐等の長さの範囲外に無人航空機が飛行することを物理的に防止できること
車両や航空機などに連結索を固定する行為は「えい航」にあたり、一般的に係留飛行とは認められません。
高構造物等に沿って配置する主索やガイドレールとドローンを連結索で繋いで飛行させる場合も係留として求められます。
この場合、飛行範囲が物件から30m以内に物理的に制限されていれば係留と認められ、30mの上限規定は連結索のみに適用され、主索をたわませるなどしてドローンが物件から30m以上離れることは認めれません。
許可・承認が不要となる特定飛行の項目
上記の係留条件(十分な強度を有する紐等、長さ30m以内での地表または固定物への係留)を満たせば、以下の特定飛行に関する個別の許可・承認が不要となります。
| 航空法の条文 | 規制の対象となる飛行形態 |
| 第132条の85 第1項第2号 | 人口集中地区上空における飛行 |
| 第132条の86 第2項第1号 | 夜間飛行 |
| 第132条の86 第2項第2号 | 目視外飛行 |
| 第132条の86 第2項第3号 | 第三者から30m以内の飛行 |
| 第132条の86 第2項第6号 | 物件投下 |
係留飛行時の注意点と安全確保措置
係留飛行を行う場合であっても、第三者の安全を確保する必要があります。
1 立入管理措置
係留によりドローンの飛行を制限した範囲内に、立入管理措置を講じる必要があります。
具体的な措置の例
無人航空機の飛行を補助する者による監視と口頭での警告
関係者以外の立ち入りを制限するための看板やコーン等による表示
想定外の事態に備えて、無人航空機、係留地点、および立入管理措置を実施した外縁に、操縦者と常に連絡の取れる連絡先表示
トラブルを防ぐため、周囲の理解を得るよう事前に周知すること
2 緊急時の対応
立入管理措置が機能せず、無人航空機の下に人の立ち入りやそのおそれがあることを確認した際は、直ちに当該無人航空機の飛行を停止し、飛行経路の変更、または安全を損なうおそれがない場所への着陸などの必要な措置を講じなければなりません
3 許可が引き続き必要な飛行
係留飛行であっても、危険物に該当する農薬の空中散布を行う場合には、引き続き「危険物輸送のための飛行の承認」(法第132条の86 第2項第5号)が必要となります
これは、係留が落下リスクを軽減しても、危険物(農薬等)の飛散や漏出による周囲への危害のおそれが残るためです
まとめ
係留飛行は、紐の長さ(30m以下)が飛行範囲を物理的に制限し、それによって墜落や接触のリスクが大幅に抑えられるため、夜間や目視外など、通常は厳しい制限がかかる飛行形態でも許可が免除される仕組みとなっています。ただし、リードにつないでいても、第三者が近づかないように見張りや囲いを設ける安全管理(立入管理措置)は厳格に求められます。
ドローンの飛行に不安があれば専門家の行政書士等に相談することをお勧めします。