アルコール・薬物の影響がある状態での飛行は禁止
無人航空機の操縦には高度な注意力と判断力が必要です。
そのため、アルコールや薬物の影響によって正常な判断ができないおそれがある状態では飛行してはいけないと法律で定められています。
- 「アルコール」には、アルコール飲料だけでなく、アルコールを含む食べ物も含まれます。
- 「薬物」には、麻薬や覚醒剤といった規制薬物だけでなく、通常の医薬品も含まれます(眠気を誘う風邪薬なども注意が必要)。
たとえ微量であっても、体内にアルコールが残っている状態では飛行不可です。
さらに、これに違反して公共の場所(道路、公園、駅など)で飛行させた場合は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
飛行に必要な準備が整っていることの確認
無人航空機を安全に飛ばすためには、事前の点検と周囲の安全確認が不可欠です。航空法では、飛行前に必要な準備が整っていることを確認する義務があります。
確認すべき主な項目:
① 機体の日常点検
- 外部点検・作動確認を行い、「無人航空機の飛行日誌」などに記録します。
- リモートIDなどの機器も含め、取扱説明書で指定された点検方法を守る必要があります。
② 飛行空域とその周囲の確認
- 他の航空機や無人航空機が飛んでいないかを確認。
- 機体が落下した場合に備えて、落下範囲に人がいないことも確認します。
③ 気象情報の確認
- 飛行場所の風速、気温、降雨量、視程が運用可能な範囲内かどうか確認。
- 特に風速については、高度による風向・風速の変化にも注意します。
④ 燃料またはバッテリーの残量確認
- 飛行に必要な時間をカバーできる十分な残量があることを確認します。
他の航空機・無人航空機との衝突防止
空中での衝突を避けるために、航空法では他の飛行物との安全距離を保つ義務が定められています。衝突のおそれがある場合は、即座に回避行動を取らなければなりません。
衝突回避の方法:
① 航空機を発見した場合
- 自機の飛行経路やその周囲で航空機を発見し、衝突の危険があると判断した場合は、即座に地上に降下するなどの措置を講じます。
② 他の無人航空機を発見した場合
- 安全な距離を保って飛行。
- 衝突の可能性があると判断された場合は、別の方向に飛行する・空中で停止する・降下するなどの回避行動を取る必要があります。
まとめ
無人航空機の飛行は、以下の3つを守ることが大原則です:
- アルコールや薬の影響がない状態で飛行すること
- 飛行前に点検や環境確認などの準備を行うこと
- 他の飛行物との衝突を回避するために適切な対応を取ること
これらを怠ると法律違反となり、罰則の対象にもなります。
安全に、そして法令に則って無人航空機を運用しましょう。続きはまた次回に!