1. はじめに:飛行禁止法と「3箇所通報」のリスクの重大性

ドローンを業務で活用する企業や個人にとって、「小型無人機等飛行禁止法」(正式名称:重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律)の遵守は絶対条件です。特に、国の重要な施設周辺で飛行させる場合、複数の機関への通報義務が発生し、その手続きは複雑になります。

万が一、この手続きを怠り、無許可で飛行させた場合、ドローンの業務が停止するだけでなく、最高で1年以下の懲役または50万円以下の罰金という重い罰則が科せられるリスクがあります。これは、企業や個人の信用に直接関わる重大な問題です。

本記事では、この「3箇所通報」という最も複雑なパターンを明確にし、失敗しないための実務上の手順を解説します。

2. 「3箇所通報」が必須となる条件

小型無人機等飛行禁止法では、重要施設(例:防衛関係施設、原子力事業所、空港など)の周辺おおむね300mの上空を「通報対象区域(イエローゾーン)」と定めています。この区域内でドローンを飛行させる場合、原則として以下の3つの要件すべてが課されるケースがあります。

通報・申請先実施事項
1. 施設管理者飛行禁止区域および通報対象区域内で例外的に飛行させるための「同意」を得る
2. 警察署通報対象区域内で飛行する際の「通報」
3. 管区海上保安監部通報対象区域が海域にかかっている場合の「通報」

🚨 特に注意すべきは「海域」を含む通報対象区域

3箇所通報が必要となるのは、通報対象区域(イエローゾーン)が海域にかかっている場合です。

海に面した防衛施設(海上自衛隊基地など)や、港湾部・沿岸部にある重要施設の周辺でドローンを飛ばす場合、警察への通報に加え、海上での安全管理を担う海上保安庁への通報もセットで義務付けられることになります。

3. 【最重要】手続き順序と期間は注意が必要

この「3箇所通報」において、ドローン運用者が最も陥りやすい罠が「手続きのタイムライン」です。

実務上の絶対的な順序:「同意」が最優先

まず理解すべきは、警察署と海上保安庁への通報(届出)は、施設管理者からの「同意」が得られることを前提としているという点です。

優先1: 施設管理者へ飛行計画を提示し、同意(許可)を取り付ける。

優先2: 同意が確実になってから、警察署と管区海上保安本部へ通報を行う。

同意がなければ、警察や海保へ通報しても飛行はできません。実務上、同意取り付けの手続きから着手するのが鉄則です。

期間の罠:48時間前は最終期限にすぎない

小型無人機等飛行禁止法では、警察・海上保安庁への通報期限は「飛行開始の48時間前まで」と定められています。

しかし、この48時間前という期限は、すべての準備が完了した後の最終的な提出期限にすぎません。

  • 施設管理者への同意取り付け期間: 施設管理者への同意取り付けは、空港等であれば飛行運用の影響や保全上の問題の確認に時間を要します。特に防衛関係施設の場合、最低10営業日前のリードタイムが必要なため、余裕を持った調整が必要です。
  • 実質的なリードタイム: 逆算すると、施設管理者の同意取り付けに約2週間、通報書類の作成に数日を要するため、プロジェクトの開始からは最低でも3週間~1ヶ月の準備期間を見積もる必要があります。

この期間の罠にはまると、契約済みの業務でも、通報が間に合わずにフライトが延期・中止となり、重大な信用問題に発展します。

5. 罰則リスクと回避策

無許可飛行や通報義務違反は、最高で1年以下の懲役または50万円以下の罰金という重い罰則の対象です。

この規制は、ドローン運用を業務とする企業や個人にとって、コンプライアンス上の最大のリスクと言えます。

回避策は「専門家への依頼」による確実な手続きです。

4. 行政書士への依頼のメリット

複雑な「3箇所通報」手続きは、ドローン運行のプロであっても、法令や各機関の求める実務上のルールを把握し、期限内にすべての書類を完璧に整えるのは容易ではありません。

行政書士にご依頼いただくことで、以下のメリットが得られます。

  • 煩雑なタイムライン管理の代行: 数週間に及ぶ施設管理者への同意取り付け期間、警察・海保への48時間前通報期限など、複雑なスケジュールを一元管理し、業務の中断を防ぎます。
  • 各機関の視点に合わせた書類作成: 施設管理者、警察、海上保安庁それぞれが納得する飛行計画と保全体制を盛り込んだ書式を作成し、手続きを円滑に進めます。
  • ワンストップでの安心: 施設管理者との調整、警察・海保への二重通報、さらには航空法や他の規制との整合性確認まで、すべてを専門家が代行します。

5. まとめ:安全な運用と次の一歩

ドローンの利活用は、適法かつ安全な運用があってこそ初めて実現します。「3箇所通報」が必要となる重要施設周辺での飛行は、知識と時間を要する専門性の高い業務です。

安全な運用と罰則リスクの回避、そして何より業務の中断を防ぐために、この複雑な手続きは専門家である行政書士にお任せください。

複雑な手続きに不安を感じる、またはフライト期限が迫っている場合は、まずはお気軽にご相談ください。貴社のフライト計画を安全かつ適法に実現するためのサポートをさせていただきます。