「最近、親が同じことを何度も聞くようになったな…」 「昨日約束した話を覚えてない、これって物忘れ?」
そんなふうに、ふとした瞬間に親御さんの変化を感じ、心配になることはありませんか? 「まだうちは大丈夫」と思いたい反面、心のどこかで将来の介護やお金のことが不安になる。それは、親御さんを大切にしたいと思うとても自然な感情です。
今日は、そんな「子世代」の皆さまにぜひ知っておいていただきたい、「銀行口座の凍結」という現実的なリスクと、それを防ぐ「家族信託」という優しい解決策についてお話しします。
知っていますか?認知症と「銀行口座」の意外な関係
「親の通帳やカードの場所は知っているから、何かあっても大丈夫」 そう思われている方は少なくありません。しかし、実はここに大きな落とし穴があります。
銀行が「口座名義人が認知症等により判断能力を失った」と判断すると、その口座の使用が停止される可能性があります。たとえ家族であっても、本人に代わってお金を引き出すことが非常に難しくなることがあります。
- 施設への入居費用が払えない
- 介護リフォームの代金が引き出せない
- 日々の生活費を子が立て替え続けなければならない
親御さんのための大切なお金が、いざという時に使えない。そんな事態を避けるために、元気なうちから準備できることがあります。
「家族信託」という、家族でつなぐ安心のバトン
そこで今、注目されているのが「家族信託」という仕組みです。 難しい法律用語のように聞こえますが、一言で言えば「信頼できる家族に、財産の管理を委託」する仕組みです。
親御さんがお元気なうちに、「将来、もし判断力が衰えたら、このお金は私の介護のために使ってね」と契約を結んでおくことで、もしもの時も、お子さまがスムーズに口座の管理を継続できます。
成年後見制度などに比べて自由度が高く、家族の形に合わせた柔軟な設計ができるのが、家族信託の最大のメリットです。
家族信託の仕組み:3つの役割を「お財布」で例えると?
家族信託を簡単に言うと、「親御さんの大切なお金(財産)を、専用の『新しいお財布』に移して管理する」仕組みです。
家族信託の流れ
- 契約を結ぶ: 親子で「もしもの時はこのお金を私のために使ってね」と契約します。
- お財布を分ける: 親御さんの名義から、「受託者(お子さま)の信託口口座」へお金を移します。
- 管理がスタート: 親御さんの判断力が低下しても、この「新しいお財布」の管理権はお子さまにあるため、銀行でストップすることなく、介護費などをスムーズに支払えます。
いざという時のために
私が大切にしているのは、 「親にどう切り出せばいいかわからない」「兄弟で意見が割れたらどうしよう」といった、手続きの裏側にあるご家族の本当の悩みに、真摯に寄り添うことです。
不安があれば、ご相談ください。真摯にお話を伺います。