建設工事の現場において、工事の品質や安全を確保し、円滑に進めるために不可欠な存在が「主任技術者」と「監理技術者」です。どちらも「技術者」という名前がついていますが、その役割や配置義務、求められる要件に違いがあります。
主任技術者とは
建設業許可をを取得した者は、請け負った建設⼯事を施⼯する場合には、請負⾦額の⼤⼩、元請・下請に関わらず、必ず⼯事現場に施⼯の技術上の管理を行う主任技術者を配置しなければなりません。
監理技術者とは
発注者から直接工事を請け負い(元請)、かつ5,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上を下請契約して施工する特定建設業者にあっては、主任技術者に代えて監理技術者の設置が必要です。
雇用関係
工事を請け負った建設業者との間に「直接的かつ恒常的な雇用関係が必要」です。
原則以下のような技術者の設置は認められないません。
・直接的な雇用関係を有していない場合(在籍出向者や派遣社員など)
・恒常的な雇用関係を有していない場合(一つの工事期間のみの短期雇用など)
⚪︎直接的な雇用関係とは、監理技術者等とその所属建設業者との間に第三者の介入する余地のない雇用に関する一定の権利義務関係(賃金、労働時間、雇用、権利構成)が存在することをいい、在籍出向者や派遣社員については直接的な雇用関係にあるとはいえない。直接的な雇用関係は、資格者証の写し、市区町村が作成する住民税特別徴収税額通知書の写し、健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し、所属会社の雇用証明書の写し又はこれらに準ずる資料によって建設業者との雇用関係が確認できることが必要。
⚪︎国、地方公共団体及び公共法人等(法人税法(昭和四十年法律第三十四号)別表第一に掲げる公共法人(地方公共団体を除く。 )及び、首都高速道路株式会社、新関西国際空港株式会社、東京湾横断道路の建設に関する特別措置法(昭和六十一年法律第四十五号)第二条第一項に規定する東京湾横断道路建設事業者、中日高速道路株式会社、成田国際空港株式会社、西日本高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、東日本高速道路株式会社及び本州四国連絡高速道路株式会社)が発注する建設工事(以下「公共工事」という。 )において、元請の専任の主任技術者、専任の監理技術者、専任特例の場合の監理技術者及び監理技術者補佐については、所属建設業者から入札の申込のあった日(指名競争に付す場合であって入札の申込を伴わないものにあっては入札の執行日、随意契約による場合にあっては見積書の提出のあった日)以前に三ヶ月以上の雇用関係にあることが必要。
引用:国交相ホームページ(監理技術者制度運用マニュアル)