「社会貢献活動を始めたいけれど、法人格はどれがいいんだろう?」 そんな悩みを抱える起業家や市民活動団体の方のために押さえておくべきポイントを解説します。
特に比較されるのが、王道の「NPO法人」と、比較的設立のしやすい「一般社団法人(非営利型)」です。
1. ひと目でわかる比較表
まずは、主要な項目の違いを一覧で確認しましょう。
| 比較項目 | NPO法人 | 一般社団法人(非営利型) |
| 事業内容 | 法律で定められた20分野に限定 | 制限なし(公序良俗に反しなければOK) |
| 設立人数 | 社員(正会員)10名以上が必要 | 社員(正会員)2名以上でOK |
| 設立費用 | 0円(登録免許税なし) | 約11万〜12万円 |
| 設立期間 | 約4ヶ月〜6ヶ月(行政の認証が必要) | 約1週間〜2週間(登記のみで完了) |
| 社会的信用 | 極めて高い(情報公開が義務) | NPOよりは低い |
| 役員の構成 | 親族制限あり、監事が必須 | 親族制限あり |
「非営利型」一般社団法人とは?
一般社団法人には「普通型」と「非営利型」の2種類があります。
非営利型として認められると、NPO法人と同様に「収益事業以外には法人税がかからない」という大きな税制上のメリットが得られます。
【非営利型と認められる主な要件】
剰余金(利益)の分配を行わないことを定款に明記している。
解散時の残余財産を国や他の公益団体に寄付することを定款に明記している。
理事のうち、親族が3分の1を超えていない。
メリット・デメリットで選ぶ
NPO法人が向いているケース
社会的信用を最優先したい: 「NPO」という名称自体が社会貢献の代名詞となっており、寄付集めや行政からの委託事業において有利に働くことが多いです。
設立費用を抑えたい: 実費0円で設立できるのは大きな魅力です。
大人数で民主的に運営したい: 10名以上の仲間がいるなら、組織としての強固な基盤になります。
一般社団法人が向いているケース
スピーディに活動を始めたい: 助成金の申請期限が迫っているなど、数週間で法人格が必要な場合に適しています。
少人数で運営したい: 信頼できる2〜3名のコアメンバーだけで意思決定を素早く行いたい場合に最適です。
20分野以外の活動をしたい: 同窓会、業界団体、趣味の集まりなど、より幅広い活動が可能です。
設立後の「手間」の違いも忘れずに
NPO法人の場合: 毎年、事業報告書や決算書を「所轄庁(都道府県など)」に提出しなければなりません。事務負担は重めです。
一般社団法人の場合: 行政への定期的な報告義務はありません(税務申告は必要です)。事務作業を簡略化したいならこちらに軍配が上がります。
まとめ
「とにかく早く、身近な仲間と始めたい」なら一般社団法人。 「じっくり時間をかけても、社会的な信頼を積み上げたい」ならNPO法人。
どちらが正解ということはありません。自分たちの活動の「スピード感」と「思い」で選ぶのがベストです。