「補助金」という言葉を耳にするけれど、具体的にどんなものがあるのか、どうやったらもらえるのか、よく分からないという方も多いのではないでしょうか?
補助金は、事業の成長や新しい挑戦を力強く後押ししてくれる、非常に心強い制度です。今回は、補助金の基本的な仕組みから代表的な種類、そして申請の進め方まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
補助金とは?
補助金とは、国や地方自治体が、特定の政策目標(例:生産性向上、デジタル化、新しい事業への挑戦など)に沿った取り組みを行う事業者を支援するために、返済不要で支給するお金のことです。
「返済不要」という点が、銀行からの融資(借入金)と大きく異なるポイントです。ただし、誰でももらえるわけではなく、厳しい審査を通過し、決められたルールに従って事業を実施する必要があります。
代表的な補助金の種類
一口に補助金と言っても、その種類は相当数存在します。ここでは、特に多くの事業者が活用している代表的な補助金をいくつかご紹介します。
1. 事業再構築補助金
【目的】 新分野への展開、業態転換、事業再編など、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための事業再構築を支援します。
【特徴】
- 金額が大きい: 数千万円規模の補助金が出ることもあり、大規模な設備投資や新規事業への参入を検討している事業者に適しています。
- 対象範囲が広い: 新しい事業に挑戦する企業全般が対象となります。
2. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
【目的】 新製品・新サービスの開発や、生産性向上のための設備投資などを支援します。
【特徴】
- 製造業以外も対象: 「ものづくり」という名前ですが、サービス業や建設業など、幅広い業種が対象となります。
- 中小企業向け: 新しい設備(工作機械やソフトウェアなど)を導入したい中小企業にとって、非常に重要な補助金です。
3. 小規模事業者持続化補助金
【目的】 小規模事業者が、販路開拓や生産性向上のために行う経費の一部を支援します。
【特徴】
- 非常に身近: 広告費、ウェブサイト作成、展示会出展費用など、比較的少額の経費を対象としています。
- 申請しやすい: 上記の補助金と比べて、申請のハードルが低く、小規模事業者が利用しやすい制度です。
4. IT導入補助金
【目的】 中小企業や小規模事業者が、ITツール(ソフトウェア、サービスなど)を導入する際の経費を支援します。
【特徴】
- デジタル化推進: 業務効率化やデータ活用を目的としたITツールの導入に特化しています。
- ITベンダーとの連携: ツールを提供するITベンダーと協力して申請を進めるのが一般的です。
補助金の探し方と申請の流れ
「自分の事業に合う補助金はどれだろう?」と思ったら、まずは以下のホームページ等から情報収集から始めましょう。
- ミラサポplus: 経済産業省が運営する中小企業向け支援サイトです。補助金の情報が網羅的に掲載されています。
- 中小企業庁の公式サイト: 公募中の補助金情報が確認できます。
- 商工会議所・商工会: 地域の中小企業を支援する団体です。相談員が丁寧に教えてくれます。
- 税理士・行政書士: 補助金申請に詳しい専門家です。複雑な申請手続きのサポートを依頼することも可能です。
補助金活用の注意点
補助金は大変魅力的な制度ですが、注意すべき点もいくつかあります。
- 後払い: 原則として、事業にかかった経費を一度自分で支払い、その後に補助金が振り込まれる「後払い」です。資金繰りに注意が必要です。
- 不採択の可能性: 申請しても必ず採択されるわけではありません。採択されるか否かは、事業計画の完成度や政策との合致度によって決まります。
- 経費の厳格な管理: 補助金の対象となる経費は、公募要領で細かく指定されています。厳格な経理処理と書類の保管が求められます。
まとめ
補助金は、事業の大きな味方となってくれます。まずはご自身の事業目標を明確にし、それに合った補助金を探してみましょう。