「営業所技術者」と建設業許可は、切っても切れない関係
建設業の許可を取る際の、要件の一つ…それが「営業所技術者」の配置です。この技術者は、単に社員リストに名前を載せれば良いというものではなく、会社の技術的な信頼性を保証するものです。
今回は、この「営業所技術者」(特定建設業の場合は「特定営業所技術者」)が、建設業許可とどのように関係しているか、法建設業法の規定に基づき解説します!
1. 許可の基準:営業所技術者なしに建設業許可は成り立ちません!
建設業を営むためには、原則として国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要です(軽微な建設工事のみを請け負う場合を除く)。
そして、この許可を得るための要件の一つが、営業所技術者の配置です。
📌 営業所技術者の重要な役割
その担う役割は、建設工事の請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理をつかさどることです
建設業の請負契約に関する見積、入札、契約締結等の業務の中心は各営業所にあるため、「営業所技術者」とは、その営業所ごとに専任の者として置かれなければなりません。
この要件に適合していると認められない限り、国土交通大臣または都道府県知事は許可を出す事ができません。つまり、技術者がいなければ、事業を開始することができないということになります。
📌 許可申請時の手続き
許可を申請する際には、申請書(建設業法第5条)に、その営業所ごとに置かれる営業所技術者の氏名を必ず記載する必要があります。
また、その者が要件を満たしていることを証明するため、申請書には営業所技術者等証明書(様式第8号)や、実務経験証明書(様式第9号)、または資格証明書(写し)といった書類を添付しなければなりません
2. 一般建設業と特定建設業—求められる技術レベルの違い
建設業の許可には「一般建設業」と「特定建設業」(建設業法第3条第1項)の2種類があり、それぞれ営業所技術者に求められるレベルが異なります
A. 一般建設業の営業所技術者(建設業法第7条第2号)
一般建設業の許可を受けるためには、営業所技術者は以下のいずれかの基準に該当する必要があります
| 基準 | 要件 | |
| 学歴+経験 (イ) | 高等学校等卒業後5年以上、または大学等卒業後3年以上の実務経験を有する者で、在学中に国土交通省令で定める学科を修めたもの。 | |
| 実務経験 (ロ) | 許可を受けようとする建設業に関し、10年以上の実務の経験を有する者 | |
| 大臣認定 (ハ) | 国土交通大臣が上記イまたはロの者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者 | |
※「学科」は、建設業の種類に応じて細かく定められています
B. 特定建設業の特定営業所技術者(建設業法第15条第2号)
特定建設業は、大規模な下請契約(一件につき政令で定める金額以上、通常5,000万円以上または建築一式で8,000万円以上)を締結して工事を施工しようとする場合に必要となる許可です。そのため、求められる技術レベルはより高度です。
特定営業所技術者は以下のいずれかの基準に該当する必要があります
| 基準 | 要件 | |
| 高度な資格 (イ) | 技術検定(建設業法第27条第1項)などの法令の試験に合格した者、または国土交通大臣が定める免許を受けた者 | |
| 経験+指導監督 (ロ) | 一般建設業の技術者要件(建設業法第7条第2号イ、ロ、ハ)に該当する者のうち、発注者から直接請け負った政令で定める金額以上の建設工事(特定建設業の請負代金の額:4,500万円以上)に関し、2年以上の指導監督的な実務の経験を有する者 | |
| 大臣認定 (ハ) | 国土交通大臣が上記イまたはロの者と同等以上の能力を有するものと認定した者 | |
特に指定建設業の許可を受けたい場合は、営業所ごとに置く専任の者は、(イ)に該当するか、または(ハ)の規定によりイと同等以上の能力を有すると認定された者でなければなりません。
3. 許可取得後も続く、技術者の管理義務
許可を取得した後も、営業所技術者に関する責任は継続します。
⚠️ 変更があった場合の届出義務
建設業者は、営業所技術者の氏名や所属する営業所の名称など、許可申請書に記載した事項に変更があったときは、30日以内にその旨を国土交通大臣または都道府県知事に届け出なければなりません
さらに重要なのは、営業所技術者がその営業所に配置できない、又は資格要件に該当しなくなった場合です。このとき、代替できる者があるときは、2週間以内にその者について、資格などを証明する書面を提出しなければならないとされています。
この迅速な届出は、許可基準(技術者配置)が継続的に満たされていることを証明するために不可欠です。
結び:技術者の確保は、事業継続の力
営業所技術者は、建設業の許可を得るための単なる形式要件ではありません。彼らが担う「請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理」は、会社が適正に工事を施工し、発注者を保護し、建設業の健全な発達を促進する ための土台です。健全で信頼される建設業者として活躍していきましょう!