建設業界で耳にする「主任技術者」という言葉。この役割を知らずして、建設工事の適正な流れは語れません。
今回は、この主任技術者がどのような仕事をしていて、どうすればそのポジションにつけるのかを、わかりやすく解説します。
主任技術者とは、建設業法に基づき、建設業者が請け負った全ての工事現場に、元請け・下請けの区別なく必ず配置しなければならない技術的な責任者です。
これは、工事を適正かつ円滑に実施するために、施工計画の作成、工事全体の管理・監督、および作業員への技術指導を担うことを目的としています。
主任技術者の主な役割
主任技術者は、工事現場における技術上の管理を一手に担います。主な業務は次の4点です。
施工計画の作成: 工事の進め方や手順に関する詳細な計画を立案します。
工程管理: 請け負った建設工事全体が計画通りに進んでいるか管理し、遅延を防ぐ調整を行います。
品質管理: 施工内容が設計図書や仕様書の基準どおりか確認・監督します。
技術的指導監督: 建設工事の施工に従事する者への技術指導、安全管理、コスト管理、発注者との技術的な協議などを行います。
主任技術者の要件
主任技術者に就任するには、主に以下の2種類の要件を満たす必要があります。
1.資格または実務経験による要件
| カテゴリ | 条件 | |
| 国家資格 | 建設業の種類に応じた1級または2級の国家資格(例:1級・2級施工管理技士、1級・2級建築士など)を保有していること。 | |
| 学歴+実務経験 | 大学・高専・専門学校卒業:3年以上の実務経験 | |
| 実務経験 | 10年以上の実務経験 | |
その他の要件:建設業の種類に応じて国土交通大臣が認定した登録基幹技能者の講習を修了していること等
2.雇用に関する要件
主任技術者は、工事を請け負った建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあることが必要です。
直接的な雇用関係: 派遣社員や短期労働者などの雇用形態は認められません。
恒常的な雇用関係: 原則として、3カ月以上の継続的な雇用関係がなければ認められません。
専任義務について
主任技術者は、原則としてその工事現場に専任(その工事のみを担当し、他の工事や営業所の専任技術者との兼任をしないこと)でなければなりません。
ただし、以下の条件に当てはまる場合は兼任が可能です。
専任が必要な工事以外の工事(請負金額4,500万円(建築一式工事は9,000万円)未満の工事等)であれば、主任技術者は、複数の工事現場の兼務が可能です。
特例等の規定もありますが、別の機会に記載します。
まとめ
今回は、建設工事に欠かせない主任技術者について、その役割から就任要件、そして専任義務に至るまでを解説しました。
主任技術者とは?
- 建設業法に基づき、全ての工事現場に配置が義務付けられている技術的な責任者です。
- 工事の品質・工程・安全を技術的な側面から管理し、作業員を指導する現場の司令塔です。
主な役割は4つの管理
- 施工計画の作成
- 工程管理(計画通りに進める管理)
- 品質管理(基準どおりの仕上がりを監督)
- 技術的指導監督(技術指導や安全管理)
主任技術者となる要件は?
- 国家資格(1級・2級施工管理技士など)を持つか、指定学科の卒業と実務経験(大卒3年、高卒5年など)が必要です。
- 工事を請け負う会社と直接的かつ恒常的な雇用関係にあることが大前提となります。
兼任はできる?
- 原則は専任(一つの現場に専念)ですが、請負金額が一定額未満(建築一式工事以外は4,500万円未満、建築一式工事は9,000万円未満)の工事であれば、複数の現場を兼任することが可能です。
主任技術者は、建設業界の信頼と安全を支える非常に重要なポジションです。この役割の重要性を理解しておくことで、より適正な建設工事の実現につながります。